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ミステリの祭典

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東方の黄金
ディー判事 別題『黄金の殺人』『中国黄金殺人事件』

作家 ロバート・ファン・ヒューリック
出版日1965年01月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 6点 nukkam
(2015/08/14 15:15登録)
(ネタバレなしです) ディー判事シリーズは作品発表順と作中事件の発生順がずれており、本書は1959年出版のシリーズ第3作ですが物語としてはディー判事最初の事件を扱っていて、ディー判事が副官マー・ロンやチャオ・タイと初めて出会う場面が描かれています。シリーズ初期の特長である、複数の事件が絡み合う複雑なプロットになっていて密室の毒殺トリックや(ネタバレになるので詳しく書けませんが)ちょっとした発想の転換など印象的な謎解きを多数含みます。オカルト要素の扱い方も巧妙です。なお本来のタイトルは「中国黄金殺人事件」(英語原題も「The Chinese Gold Mureders」)です。

No.2 7点 kanamori
(2010/08/31 21:08登録)
中国版「水戸黄門」+「大岡越前」、ディー判事シリーズ初期の傑作です。旧版「中国黄金殺人事件」で読みました。
知事としての最初の赴任地での事件を扱っていて、冒頭の見送りの場面から、赴任地の地理的要素まで重大な伏線になっていたりします。
例によって複数の事件がモジュラー形式で進展し、物語として読みどころが盛りだくさんで堪能しました。判事のささいな気付きで、大きな陰謀が暴かれる終盤が結構スリリングです。

No.1 8点 mini
(2008/10/26 10:40登録)
狄(ディー)判事シリーズはとても面白いのでもっと読んで欲しいシリーズだ
「東方の黄金」は発表順は第3作目だが、作中時系列では判事の最初の赴任地の話なので、赴任するいきさつや、後の作品でも判事の手足となって働く二人の部下、馬栄(マーロン)と喬泰(チャオタイ)との出合いなどが描かれ、順番的にはこれから読むのが適当との意見もあるようだ
私は原書刊行順に第1作「沙蘭の迷路」から入門でもいい気もするが、でも「東方の黄金」は屈指の傑作である
巧妙な密室トリックも出てくるが、密室トリックに関しては私は「迷路」での密室トリックの方が不気味で好きだ
やはり「黄金」の良さは見事なプロットに尽きる
意外過ぎる黒幕真犯人には賛否両論あろうが、それ以上に意外なのが運河に葬られた人物の超意外な正体で、これには慣れた読者でも驚くだろう
さらにメインのネタでは無いが、序盤で登場する幽霊の正体が最後の最後で明かされる粋な演出など、全編に亘って素晴らしい
物語の面白さ、謎解きといい、これを読んだらシリーズの虜になってしまうこと請け合いだ

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