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ミステリの祭典

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紫雲の怪
ディー判事

作家 ロバート・ファン・ヒューリック
出版日2008年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点
(2016/07/13 09:49登録)
「首なし死体事件」が当然ながら主たる謎なのでしょうが、その事件と、「黄金盗難事件」や「謎めいた女の伝言」と、どう絡まっていくのか、そこがポイントです。
nukkamさんが書かれているように、読みやすいけど複雑という表現はまさにそのとおりでしょう。
ただ、さらっと読めば、あれっ、どうつながるの、というふうに思えてきます。「首なし」がメインだと思っていたら、次第に「黄金盗難」のことばかりになり・・・、う~ん、わからん、という感じにもなります。
作者が渾身の力をこめて書いたことは想像できますが、わかりにくくしすぎたという気がしないでもありません。
副官マーロンの活躍には目を引かれ、怪奇色にぞくぞくしましたが、自身で謎解きするには手に負えなくて、中途で思考が散漫になりました。

No.1 6点 nukkam
(2016/06/21 09:00登録)
(ネタバレなしです) 1966年発表のディー判事シリーズ第11作です。「黄金盗難事件」、「謎めいた女の伝言」、「荒れ寺の首なし死体事件」の3つの事件を扱っていますが事件の相互関連にかなり気を配ったプロット構成となっており、読みやすさと複雑さを見事に両立させています。本格派推理小説としては型破りなところもありますが第19章の謎解き議論はなかなか読み応えがあります。全ての事件が解決した後にさらに印象的なエピソードが続くところは「螺鈿の四季」(1962年)を連想させます。

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