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ミステリの祭典

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金沢W坂の殺人
氷室想介シリーズ

作家 吉村達也
出版日1993年11月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2013/12/04 22:31登録)
再読です。
現場は金沢市のW坂、絞殺、撲殺、毒殺、刺殺とそれぞれ違う方法で死体となって発見された同じ大学へ通う学生たち。死亡推定時刻はほぼ同時刻であり、しかも一か所ではなく坂の途中の四か所で殺されたらしい。体力自慢の体育系の男子学生たちがなぜ抵抗の跡もなくあっけなく殺されたのか・・・この謎に挑むのはお馴染みサイコセラピスト、氷室想介である。
なかなか派手な殺人事件ではあるが、展開はいたって平凡で、大した捜査もせずに、犯人がわれてしまう。まあ、殺害方法はそれなりに納得は行くものの、動機がどうもねえ。犯人にとっては切実なのかもしれないが、読む側にはそれが今一つ伝わってこないので、心から首肯できないものがある。
それと、別にそれぞれ違う殺害方法を選ばなくてもよかったのではないかという、素朴な疑問も生まれてくるのだが、いかがなものだろう。
はっきり言って犯人の意外性は全くないし、ほとんどの読者が予想している通りだと思う。
ただ、個人的にW坂のイメージを今回再読するまで勘違いしていたようなので、そこが訂正されたのが唯一の救いだった。

No.1 6点 vivi
(2008/09/24 23:54登録)
今度は四重殺という不可能犯罪の謎でした。
HOWについては色々考えさせられはしたけど、
この方法しか考えられないな~とは思っていました。
それを可能たらしめる人物造形が多少強引ではあったので、
そっちの方からバレてしまうのは、ある意味仕方なかったかな。

冒頭の謎という点では、このシリーズは凝ってますね。

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