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ミステリの祭典

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嗅覚異常

作家 北川歩実
出版日2000年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/03/09 23:53登録)
祥伝社文庫の書下ろし中編小説の愉しみシリーズの1遍として書かれた作品です。
北川歩実はこれまで読んできた作品からすると、複雑なプロットとどんでん返し連続の作家のようですが、その点からすると、中編では持ち味を生かしきれないのではないかと思われます。実際のところ、メインの事件は実験用のウサギ殺しですし、真相は悪くはないのですが、シンプルなものです。そのわりに、脇役の谷本真千子教授に関する設定で、不要ではないかと思える部分もありました。真相解明部分、「専門的な知識が、逆に働いて、真実を見抜く妨げになったのだ」という説明は、さすがですが。
テーマはタイトルどおりのもので、作者お得意の医学・生理学系ですが、最後に添えられた作者注には、「この作品はフィクションです…(中略)…嗅覚に関する記述等にも虚構の部分があります」と書かれていて、SF的な設定と言えます。

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