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ミステリの祭典

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めぐり会い

作家 岸田るり子
出版日2008年05月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 7点
(2019/08/24 23:02登録)
絵が得意な主婦華美と、バンドのボーカル祐の二人の視点を章ごとに切り替えていくカットバック手法で、最後にその二つの話がどう結びつくかという点に興味の焦点を置いた作品です。岸田るり子はこのように小説構成で読者を惹きつけるのが得意な作家ですが、本作は中でもかなり成功した例でしょう。
今回その手法で提示される謎はSF的な時間のずれで、真相解明直前には「タイムスリップ」という章まであります。トリックはごく簡単ですが、その章まで時間的な謎は読者にだけ示して、登場人物たちは全く知らないように話を組み立てているのが、なかなかうまいと思います。
華美と祐のどちらも家族、特に「愛」の問題に悩んでいて、そこがじっくり描き込まれた作品でもあります。最後にタイトルどおりの結末になるのは当然ですが、どのように「会う」ことになるのか、そこは読んでのお楽しみ。ただ、連続放火事件の真相だけはちょっとなあ…

No.1 8点 makomako
(2011/10/09 09:07登録)
少しネタバレ気味。

 この作品結構好きです。主人公の華美は頭もよく才能もあるのだが社会的にはなかなか暮らし難いタイプで、一緒に仕事をするのは大変と思われるが、個人的には結構好きです。この小説は華美のこの性格が好きか嫌いかで評価は大きく分かれそう。好きな男(私のような)にとってはとてもやさしくでムードもあり何とか守ってやりたくなってしまう。最後に理想の男女がめぐり合って本当によかった。感動した。
 でもこういった女性を好まない人が読むと鬱陶しいだけかもしれない。

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