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ミステリの祭典

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死者の心臓
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズ

作家 アーロン・エルキンズ
出版日1996年03月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 ROM大臣
(2022/02/21 14:55登録)
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの活躍する長編ミステリ。これまでにも外国で事件に巻き込まれることのあったギデオンだが、今回はエジプトで犯罪に直面することになる。
人類学教授のギデオンがエジプトで活躍するという物語は読者にとって興味深いものであるに違いないが、これは別に奇をてらった設定というわけではない。真犯人の陰謀はエジプトでなければ成立しないものであり、舞台と物語は巧みに融合しているのだ。
さらにギデオン夫妻のエジプト観光も面白く描かれており、ラスト近くのアクションシーンもそれなりに評価できる。

No.2 5点 nukkam
(2019/04/11 20:11登録)
(ネタバレなしです) 1994年発表のギデオン・オリヴァーシリーズ第8作の本格派推理小説です。このシリーズはトラベルミステリーとしても楽しめますが、エジプトを舞台にした本書はその中でも最も異国情緒に溢れていると思います。但しピラミッドもスフィンクスもミイラも登場しません(骨は当然登場します)。動物と糞と料理油の臭いが立ち込める、外国人旅行者がまず行かないような地域が描かれたりしており、それもエジプトの一面かもしれませんがトラベルミステリーとは言えても観光ミステリーとは言えません。なかなか事件が起きない展開に加えてギデオンと容疑者たちとのやり取りも意外と少なく、地味を通り越して退屈に近い謎解きプロットです。終盤は一気にサスペンスが高まって劇的な結末が用意されていますが、ギデオンの(後出し気味の)推理は犯人を特定する決め手としては弱いように思います。

No.1 6点 Tetchy
(2008/07/18 20:19登録)
今回の舞台はエジプト。形質人類学者という特殊な職業であるのも解るが、ホント色んなところに行く夫婦である。

で、今回は事件が起きるまでが非常に長く、なかば世界観光小説のようになってきている。
とはいえ、このシリーズの売りである骨の鑑定もしっかりあり、その結果も新たな知識を得られ、ひとまず満足感は得られる。

しかし邦題はあからさまに煽情しすぎであろう。
原題は“Deadman's Heart”で素直に訳せば“死者の気持ち”であり、こっちの方が内容的にしっくり来る。
でも確かにこの題名だと売れそうにないな。

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