珊瑚色ラプソディ |
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作家 | 岡嶋二人 |
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出版日 | 1987年02月 |
平均点 | 6.75点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 6点 | パメル | |
(2025/08/29 19:10登録) 結婚式を目前に控え、仕事でシドニーに赴任していた里見耕三は、帰国した際に婚約者である彩子が沖縄旅行中に盲腸で倒れ入院したことを知らされる。彩子は無事に手術を終えたものの、なぜか2日間の記憶を失っており、一緒に旅行に行ったはずの友人・乃梨子は行方不明になっていた。里見は彼女たちの失われた2日間の出来事を知るべく調査に乗り出す。 謎の2日間の解明が、婚約者の不貞を暴くような気配を見せ始める前半から、風光明媚な南方の小島に俄かに排他的ムードが漂い始める後半まで、サスペンスを高めスムーズに流れていく。 物語の背景には「命を救う医師の存在価値」と「犯罪の隠蔽」という倫理的問題が横たわっている。離島の楽園イメージと隠された悲劇という対比が効果的な作品で、サスペンスとしての緊迫感には、ばらつきがあるものの沖縄の風土を活かした設定や、医療倫理、共同体の欺瞞といった社会的テーマを軽やかに包み込むところが作者らしい。爽やかながらも切ない物語。 |
No.3 | 9点 | モグ風 | |
(2018/07/14 20:02登録) 最初のつかみは良く、抜群のリーダビリティ。 先が気になり、一度読み出すと止まらない。 敢えて短所をあげるとインパクトが少し弱いくらいかな。 |
No.2 | 6点 | COBRA | |
(2008/06/19 16:12登録) 冒頭からグイグイと!でもばれるっしょ。 |
No.1 | 6点 | こう | |
(2008/06/04 22:41登録) 結婚を控えた主人公が海外から帰国したとき婚約者は盲腸で倒れ記憶喪失、そして一緒にいた筈の女友達は行方不明で現地の人はその婚約者が女友達ではなく男と一緒にいたと証言する、というアイリッシュの幻の女に少し似たストーリーからスタートするサスペンスです。 この婚約者が受けた理不尽な行為もこの作品の真相のためならありかな、と個人的には納得しました。 また変なたとえですが一人分の空きしかない船の前で二人溺れていたらどうするか、というのに似た究極の選択のストーリーもあります。 作品としては主人公カップルに感情移入しやすい作風に仕上がっており決して明るい内容ではないのですが楽しく読めました。 |