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ミステリの祭典

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日曜日は埋葬しない

作家 フレッド・カサック
出版日1961年01月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 7点 人並由真
(2018/12/31 17:13登録)
(ネタバレなし)
 今日初めて読み始めてそのまま読了。

 大昔に読んだ同じ作者の『殺人交叉点』は自分のミステリ遍歴での原体験のひとつで、同じような思いの人も多かろう。
 だからある意味で殿堂入りしてしまっているそっちと、今になってようやっと初めて読んだ本作との単純な比較はしにくいのだが、あえて言えば、実のところ、本作の方が面白かった気がする(笑)。
 Amazonなんかのレビューでは、21世紀の今では(中略)という人もいるのだが、自分の場合はここまできっちりした「フランスミステリ」になってるとは思ってなかったので(後略)。

 あとね、『殺人交叉点』に無くって本作にあるものは、物語の大設定を受けた人間への諦観。108頁以降、ストーリーの流れの上ではあそこの場面から物語が急転するツイストとして機能しているけど、そういう文芸というか人間観こそが本作の核をなす主題でもある。そしてさらにその上で、本作は結晶感の高い秀作ミステリだった。
 人間って本当に(ふたたび後略)。

■注:ポケミスの訳者あとがきは強烈なまでのネタバレ。絶対に! 読まないように。自分は助かりました(安堵)。

No.2 5点 kanamori
(2011/03/06 17:30登録)
小説家志望の主人公とその恋人、出版代理人の夫婦。主要登場人物がこの4人のいかにもフランス・ミステリらしい構成。
仕事も恋愛も順風満帆だった主人公が、ある人物のひと言によって奈落に落ちていく様を描いたサスペンスですが、バリンジャーの某作とネタが被るラストのサプライズはちょっと微妙かな。
訳文が古くて読みずらい。平岡敦氏などの新訳で読めば、印象も変わってくるかもしれません。

No.1 6点 こう
(2008/05/27 23:49登録)
 殺人交叉点同様倒叙形式の作品。登場人物は黒人作家とその恋人、作家担当の出版代理人とその妻の4人でこの中で殺人事件が起き最後の3ページでどんでん返しが、という作品です。
 ある倒叙形式の海外作品とどんでん返しの内容が表裏一体で残念ながら殺人交叉点に比べ衝撃は薄いです。
 倒叙、どんでん返しが好きな方なら読む価値はあるかと思います。

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