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ミステリの祭典

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まごころを、君に
THANATOSシリーズ

作家 汀こるもの
出版日2008年05月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 7点 メルカトル
(2019/11/18 22:41登録)
真夏に起きた「グッピー凍死事件」を機に親友となった、魚マニア立花美樹と柳瀬圭。生物部でイジメを受け退部した柳瀬の話を聞いた美樹は、文化祭の生物部ブースでの仕返しを画策。だが行く先々で殺人や事故に遭う死神体質の美樹のこと、案の定、彼が向かった教室で爆発事件発生。無差別テロか、それとも死神の所業か!?美樹の双子の弟にして高校生探偵の真樹が謎に迫る。
『BOOK』データベースより。

こう言ってしまっては身も蓋もないですが、意外に楽しめました。前作『パラダイス・クローズド』は4点を付けましたが、この作者は何か秘めているモノがあるんじゃないかと思い直し、本シリーズをほぼ全作入手しました。
相変わらず魚の蘊蓄には辟易というか、訳解らんですが、これが魚じゃなくてカブトムシやクワガタだったら私は泣いて喜んだでしょう。だから、大型肉食魚や熱帯魚に目がない人にとってはそりゃもうパラダイスだと思いますよ、ええ。
それにしても、ひきこもりの双子の兄が文化祭で躁状態に陥っている姿には、なんでやねん?と相当な違和感を覚えたり、魚に対しては随分知識を持っているはずの柳瀬がとんでもない凡ミスをしてみたりと、何かと疑問が湧いてきます。

それはそれとして、本作は前作でおざなりにされた動機、ホワイダニットに拘っていて、個人的には非常に強い説得力を持って眼前に『動機』を突き付けられた感じがしました。まあ本格という訳でもないので、伏線がどうとか手掛かりが少なすぎるとか、専門的知識がないとお手上げだなど色々不満が噴出するのには目を瞑りましょう。そういうんじゃないので。犯人に目星を付けるのは容易いですが、その先は双子の兄弟にしか語り得ない解答が待っています。その世界観には大いに魅了されました。
こういうのは一部のマニアには受けるでしょうが、一般読者にはお勧めは出来ないですね。しかし期せずして私の予感が的中し、何かを持っていたこるもの、今後も期待したいです。

No.1 2点 江守森江
(2009/05/22 16:39登録)
ミステリを書かずに魚蘊蓄とタナトスを書いただけ。

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