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ミステリの祭典

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絞首人の手伝い
賭博師 ローガン・キンケイド

作家 ヘイク・タルボット
出版日2008年05月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2010/08/09 20:06登録)
長編は2作しか書いていないが、オカルト趣向と不可能トリックでマニア受けをする作家です。
なんといっても発端の怪奇趣向の謎の提示が魅力的で、本書も死後2時間で腐敗する死体とか不可能性は巨匠のカーに劣らないと思います。ただ、大風呂敷を広げた謎に対して、トリックの真相がちゃちで小粒になっているのは「魔の淵」と同様で、若干拍子抜けの感もあります。

No.1 5点 nukkam
(2009/05/20 09:29登録)
(ネタバレなしです) 米国のヘイク・タルボット(1900-1986)は様々な職歴を持っていますが本業といえるのは舞台演出を手がけたり演劇に関する本を書いた演劇家で、ミステリー作品はわずかに長編2作と短編2作にとどまりました。その作品は同時代のクレイトン・ロースンと同じく不可能犯罪の謎解きを中心にした本格派推理小説でしたが、不幸にして米国で本格派の人気が下降線をたどる時期に重なったこともミステリー作家として成功できなかった理由の1つではと思われます。本書は1942年発表のミステリー第1作です。会話が噛み合わないような場面がいくつかあって全体的に読みにくいのが難点ですが、極めて短時間で腐敗した死体や怪物(らしきもの)による襲撃事件など謎の魅力は1級品で、トリックも合理的で納得できるものです。丁寧な説明にもかかわらずトリック成立のための条件が十分クリアされているのかがいまひとつ理解できなかったのは私の読み込み不足かもしれませんが。

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