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ミステリの祭典

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鏡の奥の他人

作家 愛川晶
出版日1997年07月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2023/07/14 13:11登録)
 どこかで読んだようなパターンを上手く使い回す為に、小ネタは工夫したんだなと言う感じ。だからといってそうそう斬新に化身するわけもなく、寧ろ謎を入り組ませることに注力するあまり、物語の面白さがなおざりになっている。
 記憶や夢を一定のルールに則ったもののように捉えて推論を進めるのには違和感(“夢の映像がリアルだから実体験を映し出しているものだろう” とか)。
 イエス/ノー・ゲームでの田所は人が変わったみたいで、妙に小賢しくて違和感。

No.1 6点
(2010/08/05 21:01登録)
様々な要素を詰め込み複雑に仕上げられた作品でした。
基本的な謎の構成は、カットバックで挿入されていくnightmareの短い章が、事件を追っていくsearchの章とどうつながってくるかというところで、それは鮮やかに決まっていると思います。タイトルの意味がわかる部分では、なるほどそれでこのご都合主義的な使い古されたパターンにしていたのか、と感心しました。
ただし、最後の意外性はいくらなんでも無理やりでしょう。個人的にはその設定ははぶいてしまって、もっと普通に調査を進めていくストーリー展開にした方がすっきりしていたのではないか、と思います。
その他にも調査開始きっかけの偶然、不自然な証言や偶然の類似によるミスリード、実際の調査過程の不明瞭性など不満な点はありますが、読んでいる間は楽しめました。

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