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ミステリの祭典

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非在
観察者シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2002年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 蟷螂の斧
(2014/07/26 09:09登録)
「BOOK」データベースより~『奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピー。そこに記されていたのは奇怪な日記だった。ある大学のサークル一行が古文書を元に、人魚や朱雀、仙人が現れるという伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録だった。だが、日記の最後に記されていたのは、殺人事件を告げるSOS―フロッピーを拾った写真家の猫田は警察へ届け、大規模な捜索が行われるが、それと思しき島には誰一人いない。猫田は幻の島探しに乗り出すが…絶海の孤島を舞台にした、驚天動地の本格+ネイチャーミステリ。』~                                          題名の非在(人魚、朱雀、仙人、沙留覇島)という幻想的な雰囲気を漂わせ、数々の謎が提示されます。やや謎が多すぎて纏まりがなくなってしまっている点はもったいないと印象ですね。メインであるトリックは多重解決を狙ったのかもしれませんが、複雑になり逆効果のような気がします。よって真相(前例があるのかもしれませんが、今まで読んだ中では初めて)のインパクトがやや薄くなってしまいました。とは言え、著者の意気込みが感じられる佳作であるとは思います。エピローグで、幻想として片づけられていた謎が、合理的に語られ、きれいな余韻として残りました。

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