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ミステリの祭典

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月の裏側

作家 恩田陸
出版日2000年03月
平均点5.89点
書評数9人

No.9 5点 ROM大臣
(2023/11/30 13:24登録)
九州のとある水郷都市へやってきた塚本多門が、遭遇する異常体験。一旦行方不明になった人々は、その記憶のないまま戻ってきて普通の生活に戻っている。
ある日、猫が人間の耳の形をした異物を咥えて多門の前に現れる。弟夫妻が同様の失踪と復帰を経験した元大学教授の三隅協一郎は、ここでは「人間もどき」が作られていると言って多門を驚かせる。
ジャック・フィニィの「盗まれた街」に触発されて書かれたという作品で、水郷の街という日本的な陰影に富んだサスペンスとモダンホラーを絡ませ、ファンタジーの世界へ導いていくれる。ただ、胸のすくような解決はない。それを良しとするかしないかで、評価は分かれるだろう。

No.8 6点 よん
(2022/09/06 12:23登録)
ジャック・フィニイの古典的名作「盗まれた街」にオマージュを捧げた作品。知らぬ間に自分が少数者になってしまう恐怖を余すところなく描き、水に囲まれた街の特性を生かし、静謐で幻想味の濃い恐怖譚に仕上がっている。

No.7 5点 こもと
(2007/10/18 22:06登録)
 水郷・箭納倉のモデルは、私の地元に程近い、水郷・柳川市。 私はハードカバーで読みまして。 表紙を開けてすぐのところに掲載されている地図も、駅前や町の中の描写も、柳川市そのまんまで、妙に嬉しかった(笑)
 ただ、内容は正直なところ今ひとつ。 話が熟成したので終わったというよりも、枚数制限が来たので、そろそろ終わらなきゃ・・・という感じで、ラストが唐突にやって来た。 だから、煮え切らないまま終わってしまった・・・そんな感じ。 
 それでも、恩田作品、好きなんですけどね(笑)

No.6 8点 バファックス
(2004/07/03 02:09登録)
水木しげるとか今市子とかの日本的なホラーまんがに近い。ミステリーではないでしょうけど。終わらせ方が恩田陸らしいんじゃないでしょうか。素敵だと思います。

No.5 6点 柚紗
(2003/05/26 21:24登録)
最後がよく分からなかった。事故を目撃した後のコンビニいた人々の反応がものすごく恐かった。思わず本をほうり投げそうになった。

No.4 5点 のび
(2003/05/24 16:03登録)
何と言うのか、物語の軸がはっきりせず、何かぼやけてしまった感じ。面白かったとは思うが…。まあ、恩田作品的な幕引きかな、とは思った。

No.3 7点 小太郎
(2003/04/02 00:33登録)
これはまさしく恩田ワールドの典型というべきか、静謐なヒタヒタとした不安感がいっぱいです。

No.2 6点 keisuke
(2003/02/05 09:40登録)
私はホラー?と思いましたが・・・。私は雰囲気にかなり影響されますが、この感じ大好きです。

No.1 5点 一千花
(2002/10/31 19:19登録)
SF?...なのかも知れないが 前半の
水郷都市・他人と自分の情報処理の違い・猫
の部分は恩田作品独特のぞわぞわとした予測できない
不安と静かな雰囲気が出ていて楽しかった。

<ねぇ、なぜ河童だかお分かりか?>...この
科白は好きなのですが 意味がよく解らないです。


 

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