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ミステリの祭典

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断崖の骨
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズ

作家 アーロン・エルキンズ
出版日1992年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2022/05/24 07:31登録)
(ネタバレなしです) 1985年発表のギデオン・オリヴァーシリーズ第3作で、過去のシリーズ作品はスリラー小説でしたが本書は作風変更を意図したか英語原題を「Murder in the Queen's Arms」にした本格派推理小説です。新婚旅行で英国を訪れていたギデオンが第1章で博物館から貴重な古代人の人骨が盗まれているのに気づきます。もっともこの事件の捜査をするわけではなく、旧友が発掘中の遺跡を訪れてそこで殺人事件に巻き込まれるという展開になります(盗まれた人骨もかなり後になってから重要な役割を果たすのですけど)。結構早く容疑者は絞り込まれるのですが、犯人は左利きのはずなのに容疑者は全員右利きという謎にギデオンが悩みます。この真相は専門的知識で解かれて面白い謎解きではなかったし、後半の新たな事件も蛇足の展開に感じます。作者にとって初の本格派ということでまだ試行錯誤中だったのかもしれません。

No.1 6点 Tetchy
(2008/07/27 19:15登録)
前作でジュリーと知り合ったギデオンは本作において新婚旅行でイギリスへと行く。この辺り、シリーズ物の定石である。

で、そこで3万年前の人骨を見るために博物館を訪れるが、なんと展示されていた人骨は別の骨で、いつの間にか盗まれていた。
近くで発掘作業をしている旧友ネイトの許を訪れたギデオンは、彼の学生から相談があると持ちかけられる。しかし彼は約束の時間には現れず、後日死体となって発見される。
折りしも発掘調査の査問が行われており、そこでネイトが提出した骨はなんと無くなったとされた3万年前の人骨だった。旧友の冤罪を救うためにギデオンが乗り出す。

本作は傑作『古い骨』の1つ前の作品にあたり、総じて地味な印象を受ける。しかし物語においてギデオンが猛犬に襲われるというサスペンスを加味しているところは次作に繋がる構成が見られる。
骨の鑑定家ギデオンが、白骨は好きでも死体はダメだという事実が発覚するのが面白い。

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