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ミステリの祭典

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幸運な死体
マローンシリーズ

作家 クレイグ・ライス
出版日1982年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点
(2019/09/10 20:20登録)
ライスは初読みですが、予想とは違う印象を持った作品でした。
まずはさほどコメディしていなかったのがひとつ。特に笑わせてやろうという感じがしないのです。大げさな比喩表現もありますが、うまくはまる場合にしか使っていないと思いますし、いくらでも派手にできそうな「幽霊」騒ぎも人々のリアクションはむしろ控えめなくらいです。またマローンは酔いどれ弁護士と紹介されることが多いですが、ジェイムズ・クラムリーのミロやシュグルーみたいなことはありません。まあ最後には、酒場で乱闘の挙句留置場に一時ぶちこまれもしますが、これは事情を考えれば当然でしょう。事件がどう決着しようが、マローンにとって「幸運な死体」ことアンナ・マリーとの関係がめでたしめでたしになるわけがありません。
謎解き的には、アクション・シーンの後、これで終わるわけがないしと思っていたら、やはりそう来ましたか。

No.1 6点 kanamori
(2011/10/24 17:57登録)
酔いどれ弁護士マローン&ジャスタス夫妻シリーズの8作目。
今作の主役(ヒロイン)は、暗黒街のボスの情婦アンナ・マリー。ボス殺しの疑いで逮捕されながら、死刑執行直前で冤罪とわかり釈放されたアンナの真犯人捜しにマローンが手助けするというストーリー。
死刑になったはずのアンナ・マリーがあちこちに現れて幽霊さわぎになるドタバタはライスならではの可笑しさです。ヘレンの暴走運転とか、フラナガン警部の転職話ネタという恒例の繰り返しギャグを織り込みながらも、中年弁護士マローンのアンナへの一途な恋心が本書の肝で、ユーモアとペーソスの配分が絶妙です。

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