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ミステリの祭典

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黄昏の罠
栗村夏樹シリーズ三部作/元題『黄昏の獲物(トワイライト・ゲーム)』

作家 愛川晶
出版日1996年04月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2022/12/15 15:29登録)
 このトリック自体には完敗。事件の裏で実は何が起きていたのか、と言う意外性も良し。しかしプロットが甘いのではないか。

 エピローグで指摘される疑問点(一つ目)は非常にもっともで、示される答には合理性が無い。しまった、これでは完全犯罪が成立してしまう、と気付いた作者による敢えてのミスか。成立させちゃっても良かったんじゃない?

 “身元の鑑定が間違いだと認めろ” と警察に怒鳴り込む小暮の言動もおかしい。彼の目論見は 1.妻の隠れ家を突き止め手形を奪回。2.妻の生命保険金の受け取り。であるから、利害は対立しない。“早く真相を明らかにしろ” と望む筈。

 この後、手形は小暮の手に戻るのだろうか? 正当な所有権は誰に属するのか? 経済ネタは判らん。つまり、警察が事件を解決することで、結果的に彼のシノギを手助けする形になっちゃう?

No.1 6点 kanamori
(2010/04/23 18:21登録)
女子大生剣士・栗村夏樹を探偵役とするシリーズ第1作。「黄昏の獲物」改題。
誘拐もの、顔のない死体トリックに加えてプロットにもある工夫を凝らすなど色々トリックが入っていて楽しめました。
作者が通俗的な本格ミステリに転換した第1歩の作品で、まずまず成功していると思うんですが、シリーズ3作で終わったのは、某作家の女子高生剣士・武藤類子とキャラがカブってしまったからでしょうか。

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