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ミステリの祭典

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ステーションの奥の奥
改題『古城駅の奥の奥』

作家 山口雅也
出版日2006年11月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2023/12/07 22:49登録)
小学六年生の陽太は吸血鬼に憧れていること以外はごく普通の小学生。そんな陽太には一風変わった叔父がいる。名前は夜之介。陽太の家の屋根裏部屋に居候している物書きだ。そんな叔父と甥が、ある日テレビで「東京駅」が大改築されることを知り、夏休みの自由研究のテーマに選ぶことになる。取材のためさっそく「東京駅」に向かったふたりだったが、迷宮のような駅構内の霊安室で無残な死体を発見してしまう!さらに、その日の夜中、宿泊していた東京ステーション・ホテルの夜之介叔父の部屋で密室殺人事件が発生!しかも叔父の姿は消失していた。連続殺人事件なのだろうか?夜之介叔父はいったい?陽太は名探偵志望の級友留美花と、事件の謎を解くべく奔走する…。
『BOOK』データベースより。

面白かったですよ。ミステリーランド叢書の一冊ですが、それにしては小学六年生の男女二人が大人びて見えますが。ジュブナイルとは言え、そこは「キッド・ピストルズシリーズ」の作者だけあって、一筋縄では行きません。猟奇殺人に密室と、大人が読んでも十分納得の行く内容だと思います。まあ、ガチガチの本格ミステリを期待すると、拍子抜けするかもしれませんが。

それにしても、流石に伏線は張り巡らされていて、後で考えるとああそうだったのかと思わず膝を叩く場面も多くありました。しかし、真っ当なミステリではないので、好き嫌いが分かれる作品ではあるでしょうね。何だか歯切れの悪い感想になってしまいましたが、読めばその訳も分かると思います。何か書こうにも即ネタバレになる可能性が高いですからね。

No.1 3点 江守森江
(2009/05/22 14:34登録)
世評の高い自作「生きる屍の死」の論理を屍から吸血鬼に変え子供向けアレンジした作品と言える。
しかし、大人なら感心する論理もイタイケナ子供には如何なものか?
子供には、この作品からミステリーランドいやミステリーを読ませてはいけない!
こんな密室の解明を子供時代に読まされたら絶対本格ミステリを好きにならないだろう!
ミステリを読み慣れてから読みましょう。
※ノベルス版では「古城駅の奥の奥」とタイトル変更されている。

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