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ミステリの祭典

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三毛猫ホームズの恐怖館
三毛猫ホームズシリーズ

作家 赤川次郎
出版日1982年07月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 3点 たかだい
(2025/06/24 10:05登録)
ユーモアミステリーで知られる作家・赤川次郎を代表する人気シリーズ「三毛猫ホームズ」の一作
既読のシリーズとしては本作が2作目で、初めて三毛猫ホームズに触れてからおよそ20年越しに手に取ってみたわけだが、猫であるホームズが事件のヒントを身振りで示し、それを受けた兄妹が事件を解決に導くというシリーズとしての枠組みは結構好きな作品だなと再認識
恐怖館というタイトルに反しておどろおどろしさは皆無のユーモアミステリーな作風で、古典ホラー映画好きが集まるサークルのメンバーやその関係者を中心に、冒頭でのガス爆発からの他殺体の発見に端を発し、次々と関係者がナイフで襲われる構図はなかなかスリリングで展開としては面白い
しかし、肝心の謎(犯人が誰かは勿論、作中における密室の謎等)が正直薄っぺらく感じられた上に、個人的な好みの問題もあるとは言え作中のユーモアが基本スベっていて、挙句、主要キャラの性格などがあまり好きになれない…等々、骨格は面白そうなのに読んでみたら詰まらないという感想に落ち着きました

No.1 4点
(2020/12/31 00:17登録)
恐怖館と言っても赤川次郎のことですから、横溝正史や江戸川乱歩みたいな怖さは当然ありません。舞台は高校で、古いホラー映画を研究する怪奇クラブの会員たちが主要登場人物です。プロローグとエピローグとの間の4つの章は「オペラの怪人」「ジキル博士とハイド氏」「フランケンシュタイン」「ノスフェラチュ」となっています。
途中、ポルターガイストという言葉を片山刑事も石津刑事も知らず、「街頭ポスター」とかボケをかましてくれるのですが、本作が発表された1982年と言えば、スピルバーグ&フーパーの映画『ポルターガイスト』が公開された年ですから、ちょっと感覚を古く設定しすぎな気もします。
まあそんな途中部分の笑いはそれなりに楽しめたのですが、犯人の描き方も密室の理由もおざなりで、解決はどうもいただけません。ホームズも、ナイフの鞘を発見するシーンなんて、もう完全に超能力探偵猫です。

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