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ミステリの祭典

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アナヅラさま

作家 四島祐之介
出版日2026年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 みりん
(2026/03/07 17:00登録)
当たり外れの大きい印象があるこのミス新人賞だがこれは個人的に当たりだ。
ホラーという要素を盾にして、説明できない部分をぶん投げるのではなく、あくまでミステリーとして決着させた上で、ホラー的解釈も残すというところがいい。

ただ、一点どうしても理解できない点がある。

ヤクザが死体と車をどこに隠したのかとドローンを飛ばして探索した時に、なぜ大穴が見つけられなかったのかという点だ。

【ここからはネタバレ】


私の読み違えでなければ、ここに関してはホラー(超常現象)として解釈するしかないのではないか。

初代アナヅラ様は2代目アナヅラ様を犯す時に謝罪の言葉を述べていたことから、何かしら虐待された経験があり、被害者の気持ちが分かる側の人間なのだろうと推察される。2代目と3代目のアナヅラ様はどちらも実の父親から性的虐待や暴行を受けていた。
つまり、この「大穴」は過去に虐待を受けて、心にぽっかりと穴が空いたような人間にしか認識できないのではないか。
ヤクザには見えなかったが、実際に人や車が消失しているということから「大穴」は実在する。だが、「大穴」を認識できる者、「大穴」に魅入られる者には法則があるのだとそう解釈した。

私の予想では、大穴とは口の比喩でカニバリズム的なオチかと思っていたら本当にただの大穴だった。「いやメ○ドインア○スじゃあるまいし、そんな大穴が日本にあるわけねえだろw」と、ミステリー好きの中には許容できない方が一定数いると思われます。そこを除けば、文章はワンセンテンスが短くスピード感があり、キャラクターはどこか漫画チックで、バトルありホラーありとエンタメ性が高くかなりおすすめです。

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