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ミステリの祭典

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冷えきった週末
警察署長フレッド・C・フェローズ

作家 ヒラリー・ウォー
出版日2000年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/09/11 03:51登録)
(ネタバレなしです) 本格派推理小説要素の強いフェローズ署長シリーズの中でも1965年に発表されたシリーズ9作目の本書はその極めつけではないでしょうか。丹念な捜査、集められた証拠による推理と検証、そして105項目のデータと29の疑問点を整理したフェローズの捜査メモと実に徹底しており、読者が推理に参加することも可能かもしれません。だが地味なストーリー展開に加えて登場人物があまりにも多いのでじっくり腰を据えて読まないと辛い思いをします(私は辛かったです)。私の記憶に残っているのは最初に事件を担当したラムゼイ署長が何とかフェローズ署長に担当を押しつけようとあれこれ画策している序盤の場面ぐらいでした(この作者には珍しいユーモアを感じました)。

No.1 6点
(2013/08/03 20:42登録)
田舎町警察のフェローズ署長シリーズ最終作。
警察小説の元祖みたいに言われるヒラリー・ウォーですが、87分署やマルティン・ベック、メグレなどとは(その各々にももちろん違いはあるにしても)ずいぶんちがいます。マクベイン等は警察の様子、雰囲気-様々な事件が日々起こり、多くの刑事が飛び回っているといった-に筆を費やしているわけですが、少なくとも本作にはそのような感じは全くありません。事件と捜査過程はむしろイギリス謎解きミステリっぽい印象を受けました。警察に対する人々の対応などに、ああそうか、彼はアメリカ作家だったなと思ったりしたものです。最後には一つの手がかりから、作中の表現を借りれば「実験的推理」なるデクスターにも近いと思えるほどの推理が展開されます。
ただし、事件と直接関係ない登場人物たちの最終扱いが中途半端な感じがする点は不満でした。

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