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ミステリの祭典

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じゃあ、これは殺人ってことで
烏賊川市シリーズ

作家 東川篤哉
出版日2025年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2026/03/14 22:01登録)
 烏賊川市シリーズの短編集。鵜飼探偵に助手の戸村、砂川警部に志木刑事等の常連メンバーの存在もあって、安心感をもって読めます。こういった短編集、私にとっては貴重です。ゆるキャラ探偵・剣崎マイカの登場も嬉しい。ユーモアに惑わされがちですが、ミステリとしての基軸はしっかりしています。
①李下に冠を正せ:ラストも含めてニヤリとさせられる。芯は「ホワイ」。
②深夜プラス犬:読ませる工夫は流石。でも埋めるまでする必然性が…という気も。
③博士とロボットの密室:ポイントは密室ではなく密室じゃないほう。
④どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう:ミステリの側面はさておき、彼女にとって素晴らしいバイト先を見つけたのではあるマイカ。
⑤じゃあ、これは殺人ってことで:こういったダイイング・メッセージの使い方って、私にとっては初めてかもしれない。ラストも洒落ています。

No.1 5点 kanamori
(2026/03/09 14:03登録)
烏賊川市を舞台にした5編収録の連作短編集。私立探偵・鵜飼杜夫や、砂川警部&志木刑事などのレギュラー・キャラクターのほか、準レギュラーを含めてお馴染みのメンバーが登場する、脱力系のギャグを交えたユーモア・ミステリです。鯉ケ窪学園探偵部シリーズと並んで、初期の頃から書いてきたシリーズなので作品の出来に安定感を感じます。

表題作の「じゃあ、これは殺人ってことで」は、密室殺人を扱った探偵小説のパロディで、倒叙形式なのがブリテンの「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を連想させますが、皮肉な結末が面白い。
最初の「李下に冠を正せ」は、ブドウ園を舞台に、河川敷に遺棄された死体をめぐるホワイダニットが面白い作品。
「博士とロボットの密室」も倒叙形式ですが、文字どおり”困難は分解せよ”のハウとともに、犯人自身が密室を逆手に取られる結末が印象的。
「深夜プラス犬(ワン)」は、本来は陳腐な、”替え玉を使ったアリバイ工作”に、ある工夫を凝らしている点が良い。
その他は、ゆるキャラ探偵マイカや、大家の朱美さんが登場する”人間消失”ものなどで、そこそこ楽しめる作品集でした。

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