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ミステリの祭典

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消失村の殺戮理論
殺戮理論シリーズ

作家 森晶麿
出版日2025年12月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 4点 虫暮部
(2026/02/20 15:56登録)
 ネタバレあり。
 何しろシリーズ前作が前作だから、最早ミステリとしては読めないのである。今回はどういう反則をするのかと、そればかり気になって。
 それを踏まえた上で、ミステリ的緻密さは欠けるが反則ゆえの大技もあって楽しめた。プロローグはそういうことか。ほう。

 しかし設定の詰めが甘く、見過ごせない瑕疵もある。
 いくら七倍速と言っても、内面はそうは行かないだろう。どうしても成熟に必要な実時間と言うものがある。人格データをインストールするわけじゃないんだから。生まれて六年未満で人間的な社会性を学んで村を運営するのは流石に無理だ。
 脳の働きも物凄く速い? だったら部外者とコミュニケーションする場面で明確な差が見られる筈。
 猛スピードで老けるから、一般人と交流すれば数年でバレる。作中の説明に従うなら、アレは “内面がどうにか育った頃には身体にもうガタが来る使い勝手の悪い使い魔” である。それを、ストーリー上都合の良い部分だけピックアップして使っているように思う。

No.2 7点 メルカトル
(2026/02/08 22:19登録)
帝旺大学人文学部文化人類学科の若き准教授・岩井戸泰巳率いる岩井戸研が赴いたのは、噂として存在が囁かれる地図にない村ーー網花村。
文科省が隠匿するその村では、双頭の鯢(はんざき)ーー巨大な大山椒魚の神に生贄を捧げる〈花匣の儀〉を執り行っていた。
捧げた生贄の消失を受け入れている彼らの閉鎖世界で発生する人々の大量消失……これは人間の策謀か、人智を超えた神の仕業か?
尋常の推理は体を成さず、異形の真実が剥き出しにされるーー!
Amazon内容紹介より。

特殊設定の複雑系トンデモミステリ。私は本作を本格と言い切る事が出来ません。ジャンルミックス的な、根幹は本格ミステリですが、ホラー、SF、ファンタジーなどの要素が入り混じった新感覚のミステリだと考えます。前作程の衝撃はないものの、入り組んだ人間関係や一見単純に見える大量人間消失事件の数々の裏に隠された○○には、唸るしかありません。

本作にはトリックと言うより様々な絡繰りが潜んでおり、最早ハチャメチャとしか思えない何でもアリの特異なミステリになってしまっています。私の様な荒唐無稽な話が好きな読者には持って来いの小説だと思います。多分それ程多くないファンの中でも賛否両論を呼びそうな内容だけに、私は勿論是としますが、今後の評価を待ちたいと思います。一応ミステリとしての体裁は取れていますし、破綻している訳ではありませんので、それだけは念のため申し上げておきます。

No.1 6点 レッドキング
(2026/02/07 21:30登録)
民俗学的構造主義ミステリ(勝手に命名しちゃう)から、ラストで一気にSFファンタジーに飛躍した「切断島の殺戮理論」の続編ぽいので、今回もまた・・と予断して読み始めたら、「ホラー」に始まり「土俗奇譚」「密室ミステリ」「精神SF」「生物SF」が軽やかに混合していて、ポップに楽しませて頂きました。既に免疫あるので、この手の悪趣味オチには、もう驚かないヨ(ꒉ:)و ̑̑

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