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ミステリの祭典

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うたかたの娘

作家 綿原芹
出版日2025年10月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 メルカトル
(2026/02/10 22:44登録)
道に佇む不気味な人物をきっかけにしてナンパに成功した「僕」。相手の女性と雑談をするうちに故郷の話になる。そこは若狭のとある港町で、奇妙な人魚伝説があるのだ。そのまま「僕」は高校時代を思い出し、並外れた美しさで目立っていた水嶋という女子生徒のことを語る。彼女はある日、秘密を「僕」に明かした。「私、人魚かもしれん」幼い頃に〈何か〉の血を飲んだことで、大病が治り、さらには顔の造りが美しく変化したのだと――。
Amazon内容紹介より。

第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
連作短編形式の長編小説で、大作ではないものの、読み応えは十分ありました。読後、これは綾辻行人のホラーに通じるものがあるなと思ったら、選考委員の一人である綾辻氏は本作を推していたと書いていて、ああやっぱりなと思いました。

四作の短編はそれぞれ少しずつテイストを変えていますが、特に人物像を鋭い刃物で抉る様に描いている点は共通しています。中でも男に関しては誰も彼もろくでなしばかりで、読んでいて男ってのは駄目だよなあと思わせられました。この作者はその他にも構成やストーリーの流れ、控えめながら時にハッとさせられるグロいシーンなどに見られる様に、天賦の才を与えらえた逸材なのではないかと思います。書けそうで書けない、誰にも真似できない自身の確固としたスタイルを貫いていて好感が持てました。ただし読んで気持ちの良いものではありません、逆に気持ち悪いのが癖になるのです。ホラーですから、これくらいで丁度良いのではないですかね。

No.1 5点 kanamori
(2026/01/15 09:13登録)
昨年の横溝正史ミステリ&ホラー大賞の受賞作。
よく知りませんが、もともとあった二つの新人賞を数年前に統合させた賞です。名前から、閉ざされた因習の村で猟奇的な事件が起こり、背後には謎の集団が、、みたいなホラーミステリ系を対象としている様に思いましたが、募集要項を見ると、対象は広義のミステリと、広義のホラーと並記されていました。
ところが、巻末の選評を見ると今回最終候補に残ったのは全てホラー小説で、ミステリがないのです。選考委員の一人は「ミステリを読みたい」と露骨に不満を表明する始末です。主宰のKADOKAWAとしては恩義のある横溝の名を冠した賞を存続させたいと苦肉の策で合併したんでしょうが、なんか裏目にでた感がありますね、

それで肝心の受賞作ですが、評判はいいようですが、私の嗜好には合わなかった。若狭地方を発祥とする人魚伝説をモチーフとしたオムニバス形式の連作長編で、3話目の水族館の怪異現象がインパクトがあった、ただ全体を通してメッセージ性が前面に出ているのがどうも苦手、
昨年は、ちょっとホラーミステリにはまっていたので、阿泉来堂の一連のシリーズや「鬼神の檻」「羊殺しの巫女たち」のようなもの期待していたこともある。

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