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ミステリの祭典

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刹那の夏

作家 七河迦南
出版日2025年10月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2026/02/08 17:51登録)
 5編で構成される短編集。幾分かの光を感じないではないけど、全体としては重苦しく、好みじゃない方もいそう。個人的には、先が気になって次々にページをめくらされました。でも、作者のコトバ遊びにはあまり惹かれないなぁ…。
①刹那の夏:最も長尺で、本作中のマイベスト。甘酸っぱい青春小説からの転換。
②魔法のエプロン:予測はついた。切なすぎるが、ラストはこれで良かったと思いたい。
③千夜行:歪みが生み出す複雑さ。
④わたしとわたしの妹:これはキツイ。何らかの救いがあることを祈りたい。
⑤地の涯て:傷を負った者たちの…。短編映画にできそう。

No.1 6点 kanamori
(2026/01/24 15:07登録)
いちおうノンシリーズの短編集。5篇収録されている。
「七海学園」シリーズとのリンク(共通する登場人物がいるらしい)との評を見かけましたが、そのシリーズを読んだのはずいぶん前で内容を覚えていないし、本書のあとに出たシリーズの最新作も読んでいないので、その件は全く分かりません。
表題作の長めの作品「刹那の夏」が、不満点もあるが、編中の個人的ベスト。都会から田舎の港町に移住した少年の甘酸っぱく淡い青春物語の美しさに魅了される。ところが一転後半になると、とんでもない展開の本格ミステリに変調した。あまりの強引さや、死体の扱いには前半の雰囲気も台無しにしているようにも感じた。謎解き部分にのみ焦点を当てた読み方をすれば気にならないのかもしれないが。
「魔法のエプロン」は叙述の技巧が冴えた好篇。タイトルがなんとも。
残りの作品も含めて全体的に暗い雰囲気の作品が多いので、読者を選ぶ作品集と言えるかもしれない。あと、これは作者の趣味なのか、言葉遊び(アナグラムや回文)が頻繁に出てくるのは、個人的には煩わしさしか感じなかった。

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