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ミステリの祭典

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或る集落の●

作家 矢樹純
出版日2025年07月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 HORNET
(2026/01/11 16:51登録)
 P集落に暮らす姉を訪ねた「私」が、土地神《べら》を祀る小さな社に毎日お参りをする姉の様子がおかしいことに気づく「べらの社」。山から集落におりてくる“人ならざるもの”を描いた「うず山の猿」「がんべの兄弟」。尊い《まる》の声を聞くためだけに、幼い子供が山の社にひとり閉じ込められる奇妙な因習「まるの童子」。さらに「密室の獣」「天神がえり」「拡散にいたる病」を加えた7編からなる連作短編集。(「BOOK」データベースより)


 「がんべ」であるという川辺という男がいろいろな形で登場することで、各短編が一つ世界でつながっているという構成がうまくいっている。各編でだんだん時間をさかのぼる形になっており、「まるの童子」の最後を読んだときに、「あぁ、そういうこと」とその仕掛けに気付いた時は膝を打った。
 各話の分量もあまり多くないため、テンポよく読み通せた。

No.1 6点 虫暮部
(2025/12/05 15:47登録)
 少しずつ繫がり合った七つの短編。しかし微妙に重なりながらも、綺麗な輪にはなっていない。敢えて歪な形なまま放置したこれは、“伏線回収” ではなく、読む者の認知を歪めて世界の方を変容させるのかも知れない。
 伏線の整合性に囚われて、ホラーとしての広がりが制限されるくらいなら、こういう乱調も一興? ヤクザ系エピソードの上手さは昔取った杵柄ってところか(『バカレイドッグス』のことね)。

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