| 六つ首村 |
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| 作家 | 折原一 |
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| 出版日 | 2025年11月 |
| 平均点 | 6.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 6点 | メルカトル | |
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(2025/12/08 22:16登録) 奇才・折原一が横溝正史に捧ぐ、渾身のダーク・サスペンス。 フリーライター・笹村克哉のもとに、義理の姉と名乗る女がやってきた。曰く、笹村は北関東の奥地に佇む六つ首村の名家・白兼家の血の後継者候補であり、30年前に起きた「六つ首村連続殺人事件」を生き延びた張本人だという。連続殺人事件の犯人・六彦はどこに消えた? 引きこもりの現当主・夢男は何者? 自分の本当の父親は誰なのか? 六つ首村を訪れた笹村は白兼家の秘密を探りはじめ、並行して恐るべき殺人計画が進行する。 連続殺人事件の再現ドラマをめぐって絡み合う、さまざまな者たちの思惑――。 三転四転のクライマックスの先に明かされる、衝撃の真相とは!? Amazon内容紹介より。 タイトルや表紙からも分かるように、折原一流の横溝正史の『八つ墓村』へのオマージュ。勿論似て非なるものではありますが。この長尺の作品を飽きさせない様、目先を変えて読者の興味を惹きます。お得意の地の文、一人称(三人分)、脚本、私家版小説、警官の日誌、モノローグなどを字体を変えて物語を語り継いでいきます。それが十分機能しているかと問われると否としか言えませんが、作者の苦労の跡は見て取れます。 第三部は非常に惹き込まれるものがあります。このシーンは『八つ墓村』は当然ですが、映画『丑三つの村』を想起させ、迫力は相当なものです。一方ミステリとして考えると、瞬間移動や密室のトリックはかなりショボく、最早トリックとは呼べません。複雑に入り組んだ人間関係の捌き方は流石ですが、これだけの分量に比して面白味に欠ける感を受けました。最後に衝撃が待っていると思っていたら、大した事はなくちょっと残念な結果となりました。 |
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