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ミステリの祭典

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その血は瞳に映らない

作家 天祢涼
出版日2025年08月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 8点 人並由真
(2026/02/14 06:30登録)
(ネタバレなし)
 いやー、……メチャクチャ面白かった!

 数年単位で<最高傑作>を地味に更新し続ける作者だが、もしかしたらこれが自分にとっての現時点での著者の著作のベストワン! になるかもしれない。

 メインキャラから脇役まで、話に絡む登場人物の造形が総じて出来がよく、記号的な役割の人物もどこか印象に残るキャラクターになっている(気弱で上司の命令を聞かなければならないサラリーマン社員だが、決して悪人ではない編集長とか)。そこがまずよろしい。
 でまぁ、終盤の(以下略)。これはアレでないの、海外ミステリ黄金時代の(中略)ではないの!
 
 雑多な人間模様を見つめてその上で、ちゃんと謎解きミステリとしての仕掛けとサプライズにこだわりながら、同時に、主題として作者が小説の形で言いたいメッセージ性もしっかとそこにある。
 というより、中盤までは<ミステリとしてはまずはともかく、小説として面白い>だったのが、最後の最後でその枠を突き破った破壊力にシビれた。
 優秀作。

 9点に近い、この点数で。 

No.1 6点 HORNET
(2025/11/24 21:26登録)
 横浜のアパートに住む鈴原咲玖良と娘の女子高生・優璃が、同じアパートの住人・緑川に襲われ、母親は死亡、娘も負傷した。すぐ逮捕された緑川は死刑になりたかった、と動機を供述。ニュースサイト記者・千弦は、犯人の供述に疑問を抱き、優璃と共に事件を取材する。
 不審な行動をとる緑川の弁護人や思惑を秘めた関係者の証言に振り廻される千弦たち。 犠牲者が犠牲者を生んでゆく!SNSの闇を抉る傑作長編ミステリー。
<Amazon書籍紹介より>




<ネタバレ>
 片方の側に感情移入してしまった記者は、果たしてその足かせを振り払って真実を見極められるのか―これまでもいくらでもあったであろう作品テーマだが、リーダビリティの高い筆者の筆力もあって、結局面白い。
 そのうえで、最後のどんでん返し―…いきなり違う方向から矢が飛んできた。警察まで結託してのトラップは現実味に欠けるものだったが、エンタメとして読み下せばまぁよし。
 ただ、著者の作品としてはこれまでのほうが好きだったかなぁ…

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