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ミステリの祭典

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月が昇るとき
ミセス・ブラッドリー

作家 グラディス・ミッチェル
出版日2004年09月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 nukkam
(2016/09/22 00:30登録)
(ネタバレなしです) 1945年に発表されたミセス・ブラッドリーシリーズ第18作の本書はミッチェルの代表作と評されていますが、なるほどミッチェル作品としては読みやすくビギナー読者にもとっつきやすいと思います。少年サイモンの眼を通して描かれる冒険談風の展開が時に幻想性さえ感じさせます。ミセス・ブラッドリーの描写は例えば初期の「ソルトマーシュの殺人」(1932年)に比べるとエキセントリックな面はそれほど見られず少年たちへの接し方も常識的です。好き嫌いが分かれるでしょうが明確な謎解き解説をせずにサイモンと読者の判断に委ねたような結末も含めて独特の霞がかったような物語が印象に残ります。

No.2 6点 kanamori
(2010/08/31 18:28登録)
サーカスがやって来た町で発生する連続切裂き魔の事件を、13歳の少年の視点で描いています。
異常な事件にもかかわらず、ノスタルジーを誘うファンタジー風の物語になっていて、仁木悦子の子供を主人公としたミステリを髣髴とさせました。
シリーズ探偵の心理学者ミセス・ブラッドリーが登場しますが、あくまでも脇役に徹していて、本書に関しては作者がパズラーを志向していないことが分かります。

No.1 8点 mini
(2008/11/12 10:51登録)
本格としての面白さは大して無いが、雰囲気勝負としてなら最高峰とも言える傑作中の傑作
”詩情に溢れた”という言葉だけで全編が形容できてしまう稀有な物語だ

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