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ミステリの祭典

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ウォンドルズ・パーヴァの謎
ミセス・ブラッドリー

作家 グラディス・ミッチェル
出版日2007年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2010/04/22 20:56登録)
心理学者ブラッドリー夫人を探偵役とするシリーズ第2作。
肉屋の鉤にぶら下がった首なし死体、現れては消える頭蓋骨など派手な演出とは裏腹に、作者はわざと読者の興味の逆を突くようなプロットを構成しているように思われます。肝心なところで盛り上げようとしないため、すんなりと推理に入れない感じを受けました。解説を読むと、それが作者の持ち味のようですが。
しかし、今作は「踊るドルイド」や「タナスグ湖の怪物」などの後期作と比べて本格ミステリをしていて、終盤の多重解決など、なかなか読み応えがありました。

No.1 5点 nukkam
(2010/02/12 18:48登録)
(ネタバレなしです) イギリスのグラディス・ミッチェル(1901-1983)はミセス・ブラッドリーを探偵役にした本格派推理小説を60冊以上も発表した女性作家です。その作風はすらすら読めるクリスティーとは対照的で文章自体は決して難解ではありませんが、特に初期作品ではプロットが突拍子もない展開を見せたりします。1929年発表のシリーズ第2作の本書もその典型で、まだ大した事件が起きないうちから色々な登場人物に怪しげな行動をとらせたかと思うと後になって実は殺人が既に起きていたらしいという、起承転結の「起」を省略して「承」から開始したようなところがあってとても読みにくかったです。手掛かり脚注に現場見取り図を使っての謎解きはいかにも本格派推理小説を読んだという気分にさせてくれますがあれほど複雑な真相なら現場見取り図はもっと早い段階で提示してほしかったです。

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