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ミステリの祭典

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ゆうずどの結末

作家 滝川さり
出版日2024年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 ぷちレコード
(2026/04/09 21:17登録)
呪われた本というメタ趣向の都市伝説もの。
自殺した作家・鬼多河さりが遺したホラー小説「ゆうずど」を一行でも読んだ者は市が訪れるという。たとえ途中で読むのをやめても、どこかに捨ててもその呪いから逃げることは出来ない。
様々な場に現れる「ゆうずど」が発動する呪いに救いはないが、それを受ける者たちもまた闇を孕んでいる。定番のテーマ、モチーフをグロテスクなディテールと歪な心理描写で捻るのがいい。

No.1 6点 HORNET
(2025/05/17 17:23登録)
 大学生の菊池斗真はサークルの同級生の投身自殺を目撃する。その死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、自殺した同級生が死の瞬間に持っていた小説らしい。「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されているごく普通のホラー小説だったが、今度はそれをよんだ先輩の日下部が翌週に自殺をしてしまう。気味が悪くなった菊池は、小説「ゆうずど」を何度も捨てるが、なぜかいつも手元に戻って来る。そして挟まれているしおりが、日を追うごとに勝手に進んでいくのだ――。

 「呪いの〇〇」的な、ホラーの典型ともいえる枠組みの物語。日を追うごとに「しおり」が勝手に進んでいくという死への時限設定もパターンではある。が、やはり臨場的で面白い。さらに呪いを回避するために主人公・菊池が打った一手というのが、ホラーらしいラストを飾っておりなかなかのもの。
 良い意味で、標準的なホラーの一作。

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