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ミステリの祭典

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証拠は語る
アプルビイシリーズ

作家 マイケル・イネス
出版日2006年12月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 4点 ミステリーオタク
(2018/05/12 15:37登録)
何か冗長で退屈

No.3 8点 mini
(2017/11/07 10:54登録)
ニコラス・ブレイク、エドマンド・クリスピン、シリル・ヘアー等と並ぶ、と言うより戦後の英国教養派(日本で言うところの新本格派)を代表する作家がマイケル・イネスである。

「証拠は語る」は凡そ中期ごろの作だと思うが、作風的にも軌道に乗って安定期に入った頃なんじゃないかな。
初期の「ある詩人への挽歌」や「ストップ・プレス」のような凄味は感じられず、またやはり中期の「アプルビイズ・エンド」みたいな異色性も無く、オーソドックスで無難な作である。
それでいながら数多く登場する大学教授や関係者などの造形には教養派の雄イネスらしさが横溢しており、ある意味最もイネスらしい作なんじゃないかなぁ
読者によっては「ストップ・プレス」みたいなものこそが本流ではという意見も出るかもしれないが、まぁあれはどう見たって初心者向きではないからね(笑)

舞台設定から言えば「証拠は語る」は大学を舞台にした学園ものである
しかしそこには青春ミステリ的な要素は皆無である
一応話の都合で女子学生もちょっとだけ出てくるのだけれど、基本的には老練な大学教授達とそれよりは若い助手たちしか出てこない。
しかも学園生活みたいな要素も僅かで、多くは学者たちの研究内容の話題が中心で、この辺いかにもなイネスワールドだ
たまにはアカデミックで大人の教養ミステリーが読みたい時には最適な作であろう、ってそんな気分の時ってあるのか、という御指摘には無視(笑)

No.2 5点 nukkam
(2014/09/01 17:26登録)
(ネタバレなしです) 1943年発表のアプルビイシリーズ第9作でデビュー作の「学長の死」(1937年)と同じく大学を舞台にした本格派推理小説なんですが、良くも悪くも書き方が慎重だったシリーズ第1作と比べると本書はエキセントリックな登場人物による尋常でない会話と相変わらずのお堅い教養ネタの不思議な組み合わせという、ファルス本格派と称されたイネスらしい作品と言えるでしょう。ただ少々やりすぎな感もあってストーリーの流れが悪くなってしまったように思います。単に凶器の珍しさに留まらない隕石の扱い方など謎解き自体は悪くないだけに惜しい気がします。まあそれがイネスの個性でもあるのですが。

No.1 6点 kanamori
(2010/04/11 18:54登録)
黄金時代後の英国新本格の旗手の一人マイケル・イネスの大学を舞台にした学園ミステリ。
癖のある作品が多くとっつきにくい印象がありますが、この作品は比較的読みやすいオーソドックスな本格編です。
いきなり隕石で圧死した死体が出てきてどうなることかと思いましたが、大学教授らの人を食ったようなキャラと推理で、本来退屈となりがちなアプルビイ警部の捜査や証人尋問も楽しく進行しています。
油断していたためか、クライマックスのどんでん返しの連続も意表をつかれました。

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