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ミステリの祭典

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伊根の龍神
御手洗潔シリーズ

作家 島田荘司
出版日2025年03月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2025/06/06 15:03登録)
 そりゃあ色々と思わせ振りな伏線はあったが、第三章のそれこそ1ページ目を読んだだけでそういうことかと判ってしまった。そう思ってしまうと、一章を費やしたその人の来し方の物語はありきたりで面白味に欠ける。龍神の真相もごく順当な範囲に留まった。もっとUMA談義しても良かったのに。
 しかし、こういう題材でこういう風な書き方で、まぁ島田荘司だからなぁと曖昧に受け入れられてしまう立ち位置が確立されていて、作者はそのへんも強かに利用して書きたいことを書いている感じがする。新人だったら止められそうじゃない?
 そこも含めて、まぁ……と受け入れてしまう程度には、私も島田荘司のファンなのだなぁ。

 ところで、石岡と御手洗の最初の会話、てっきり対面かと思った。叙述トリック?

No.1 4点 文生
(2025/04/01 18:28登録)
京都の伊根湾で巨大な龍神が目撃されたという話を聞いて石岡とネッシー研究会の一員で大学院生の藤波麗羅が現場に急行。すると伊根湾に向かう陸路は自衛隊によ封鎖されており…。

この時点でいやな予感はプンプンしています。これだけ大風呂敷を広げてはとてもまともな解決を期待できそうにはあらりません。加えて、島田荘司の作品をある程度読んでいれば、「どうせ××が××して自衛隊に関しては××××××だろう」といった具合に全体の仕掛けがだいたい予想できてしまいます。石岡と麗羅の掛け合いメインでテンポ良く読めるのはいいのですが、リアリティのない真相なのに意外性も乏しいというのはどうにもいただけません。

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