謎解き広報課 わたしだけの愛をこめて 謎解き広報課シリーズ |
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作家 | 天祢涼 |
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出版日 | 2024年11月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | 人並由真 | |
(2025/01/27 15:08登録) (ネタバレなし) 東北の一地方・高宝町(こうほうちょう)の町役場広報課で地域広報誌「こうほう日和」を編集する公務員・新藤結子。そんな彼女は2011年3月11日、取材先に向かう途中で大地震(東日本大震災)に見舞われる。多くの人命が失われ、家屋が壊滅した被災のなかで結子は、己の無力さを痛感しながら市役所職員として、そして広報誌の担当者としてできることを探し続けるが。 シリーズ完結編。東日本大震災をクライマックスに持ってきたシリーズ構成については軽く驚いた。とはいえ作者あとがきによると、作家になる前のライター時代に取材で、震災に遭遇した広報誌担当者の方に出会ったのがそもそも本シリーズを生み出す大きな原動のひとつだったそうで、当初からこの件が物語の決着編になることは想定されていたという。 ほぼ10年目にして念願のゴールまで行ったわけで、その意味でも快挙である。 物語の主題が真摯で重いだけに今回の前半はあまり娯楽ミステリの要素を導入する余裕がないのだが、ヒューマンドラマのなかでシリーズ全3冊を通じた伏線の回収はされるし、読者のサプライズを求める仕掛けの開陳なども印象的。 特に後半はシリーズを積み重ねて読んできたものならではの感興が豊潤で、作品は単品でも理解できるし、楽しめるが、やはり第1冊目から順々に読んでほしい。 結子、お疲れさまでした。 |