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ミステリの祭典

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蜘蛛の糸は必ず切れる

作家 諸星大二郎
出版日2007年09月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2025/03/11 22:14登録)
「伝説の漫画家」の小説集ふたたび! 「妖怪ハンター」「マッドメン」など、独特の作品世界をもつあの諸星大二郎の小説集! 「船を待つ」「同窓会の夜」など、諸星ワールドを堪能できる4編収録。
Amazon内容紹介より。

超異色な問題作ばかりの短編集。
いずれも終始不穏な空気が漂った様な酩酊感を伴う、独自のワールドを構築しています。一話目の『船を待つ』が最もミステリに近い作風で、終わってみればこの作品が一番印象に残った気がします。ただオチが弱かったのが気になります。それは他の作品に関しても言える事で、曖昧であやふやな、ハッキリしない終わり方なので好みの別れるところだと思います。

漫画家でこれだけ書けるのは十分合格点でしょうね。漫画をそのまま文章にした様な感じではありますが、文体自体はそれ程クセの強さは感じません。ただ少々くどいというか、同じような描写が続いたりするのはあります。ストーリーの変遷という点ではあまり期待できません。

No.1 7点 虫暮部
(2025/02/28 12:38登録)
 怪奇小説第二弾。殺人事件が起きたり、記憶が曖昧だったり、叙述トリック(と言う程でもない)だったり、追う者追われる者だったりと、ミステリ的趣向……なのかと思わせておいて全然そうではない。黒々と墨でにゅるりと象ったような語りの密度は高く、中でも「船を待つ」の寂れた港の空気感とあやふやな結末が良かった。

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