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ミステリの祭典

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白い女の謎
オーウェン・バーンズシリーズ

作家 ポール・アルテ
出版日2024年12月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 レッドキング
(2025/02/08 14:57登録)
待ってました!ポール・アルテの新翻訳。心臓病の初老富豪をめぐる、ソフトオカルトWhoダニットのオチは・・カー密室(てっきり「鏡」トリックかと・)ではなくて、クリスティ十八番の「あれ」と「あの」トリックであった(^'^)。クイーンオマージュとしか思えないネタも付く。「幻影風味」バーンズシリーズも悪くないが、「ド本格」ツイスト博士シリーズの未訳分を、ドンドン出してチョおーだい(財津一郎風) 。

No.1 5点 nukkam
(2025/01/04 15:50登録)
(ネタバレなしです) 2020年発表のオーウェン・バーンズシリーズ第8作の本格派推理小説です。作中時代は1924年、神出鬼没の「白い女」という不可思議な謎が散りばめられていますが犯罪性がはっきりしない出来事が多くて中盤まで盛り上がりに欠けるプロットになっています。家族間のドラマを描いているところは作者が私淑しているジョン・ディクスン・カーよりもアガサ・クリスティーの作品を連想させます。ほの暗い雰囲気はクリスティーとも異なりますけど。行舟文化版の力のこもった巻末解説ではエラリー・クイーン風と評価しており、なるほどと思わせるところもありますが有名な国名シリーズのように容疑者を1人ずつ犯人候補から外して最後に残ったのが犯人という解決パターンではありません。過去ミステリーのトリックの再利用など問題点がないわけではありませんが23章でのオーウェンによる推理説明は謎解きのスリルに満ちており、これまた前例があるもののエピローグで明かされる秘密も印象に残ります。

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