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ミステリの祭典

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一日の悪

作家 トマス・スターリング
出版日1958年01月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 8点 nukkam
(2011/10/19 09:23登録)
(ネタバレなしです) 米国のトマス・スターリング(1921年生まれ)については詳しく知りませんが、デビュー作はサスペンス小説、第2作は犯罪小説、そして第3作の本書(1955年発表)は本格派と、特定ジャンルにはめられない作風の作家のようです。アガサ・クリスティーやエラリー・クイーンの書く本格派推理小説とは趣が異なり、サスペンス小説色が濃厚なプロットですが結末に至るとそれまでに張り巡らされた様々な伏線が真相を明らかにするという、本格派ファン満足の謎解きが待っています。この謎解きは視覚的に訴える手掛かりを巧妙に活用しており、映画化(1967年)されたのも十分うなずけます。

No.2 7点 kanamori
(2011/09/05 22:20登録)
ヴェニスにある古い屋敷を舞台にした遺産相続を巡るミステリ。

これはかなり面白い。よく出来た騙し絵ミステリですが、内容を詳しく書こうとするとどうしても事実と異なるアンフェアな表現になってしまう困った作品。
途中までは心理サスペンス風でちょっと読みずらいところもありますが、終盤の構図の反転度合いがすごいです。遺産相続ものの登場人物達それぞれの役割・立ち位置をここまで逆転させた手際はお見事というしかありません。

No.1 7点 こう
(2008/05/19 23:42登録)
 マイナーな作品ですがなかなか面白いです。死を控えた主人公が看取ってくれる人に全財産を送りたいという手紙を書き三人が集まった屋敷で殺人事件が起きて、という話ですが殺人の動機、また最後のどんでん返しと工夫がきいています。情報が全て提示されていませんので想像力が必要ですが。皮肉がきいていて面白い作品です。

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