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ミステリの祭典

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第二開国

作家 藤井太洋
出版日2022年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 糸色女少
(2024/10/27 21:35登録)
奄美大島の地元スーパーの話が一気に世界的課題の解決へと繋がる気宇壮大な夢物語。その一方で、今にも叶えられそうな説得力を備えている。
鍵となるのは一隻の外洋クルーズ船。二つの船体を繋いだ双胴船で総トン数、五十万二千。陸上で言えば地上十七階、地下二階のビルに相当する。こんなに大きな船なのに、乗客数は過去最大のクルーズ船より少なく、船室が雰囲気も旅客向けとは異なる。大きな謎を巡って、島にUターンした昇雄太をはじめとする同窓生男女が交錯する。インターネット世代の紡ぐチャレンジングな夢を、経済的、技術的知識を存分に駆使して描きだした郷土SF.

No.1 5点 びーじぇー
(2024/10/14 21:43登録)
奄美大島を舞台にした国際謀略サスペンス。主人公の昇雄太は、父が認知症になり半年前に帰郷し地元のスーパーの社長に乞われてスタッフとなり、忙しい日々を過ごしていた。
というと、いかにも島民の帰郷譚、第二の人生ものっぽい出だしだが、そこへ警視庁公安部の刑事二人が町に潜入していることが明かされ、話が急にきな臭くなる。奄美大島の現状から自然風物に至るまで細部描写が行き届き、シリアスなテーマを突き付けながらも、海洋活劇もたっぷり楽しめるエンタメに仕上がっている。

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