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ミステリの祭典

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フェイク・マッスル

作家 日野瑛太郎
出版日2024年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 文生
(2024/09/16 11:08登録)
あまり一般的でない職業を紹介しつつ、事件の謎を解いていくという、久しぶりの王道的乱歩賞作品といった感じ
若手の落ちこぼれ編集者が疑惑のトレーニングジムに潜入取材を敢行するというメインの話はとぼけたユーモアが効いていてなかなか読ませます。
一方で、女性視点から語られるサブエピソードは(ミステリー要素を高めるために挿入されたものだと思われますが)途中からオチがみえみえでなかった方がよかったという感じ。
この辺りもかつての乱歩賞あるあるパターンで懐かしささえおぼえます。総合的にみればエンタメとしては十分に楽しい作品でした。

No.1 6点 HORNET
(2024/09/15 20:56登録)
 「週刊鶏鳴」編集部に勤める松村健太郎は、ある日潜入取材を命じられる。それは、人気男子アイドルグループのメンバーが、最近ボディビルの大会で入賞したことに関してドーピング疑惑をもたれていることについて、彼がその後プロデュースを始めたフィットネスクラブに潜入して調べよ、というもの。慣れない筋トレに悲鳴を上げながらも、あの手この手で疑惑に迫ろうとする松村。すると事案の様相は、警察も巻き込む予想外の展開に広がっていき―

 280ページ、軽快な文体も手伝ってあっという間に読める。芸能タレントのマッスルドーピング疑惑を、週刊誌編集者がスクープ狙いで探る、という面白い物語題材もあって、よくいえばリーダビリティも高い。
<ネタバレ>
 疑惑の男性タレントの「彼女」については、まったくの予想通りで「やっぱり」だった。まぁデザイナー・ステロイド取引に関する真犯人・真相は、まずまずの面白さだったし、総じて楽しめた一作ではある。
 ただ、いやしくも大乱歩を賞の名に関する乱歩賞受賞作品というと…うーん…作風としてもレヴェルとしても若干…違和感があったのは否めない。

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