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ミステリの祭典

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斬首の森

作家 澤村伊智
出版日2024年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 4点 sophia
(2025/04/07 23:22登録)
ネタバレあり

「首を斬ればいい」という情報を受けて二人の人物がたどり着いた同じ結論が飛躍しすぎですし、実際にその方法が可能なのはご都合主義以外の何物でもない気がします。首も簡単に斬れすぎでは?それから、この方の作品を読むのは四作目になるのでそろそろ気付いてきたのですが、登場人物に軽薄な人が多すぎませんか?もう少し重々しい人物描写の方がホラーとの相性がいいように思うのですが、軽いのがこの方の良さなのでしょうかね。

No.1 9点 メルカトル
(2024/09/14 22:08登録)
鬱蒼と暗い森の中に建つ合宿所。ある団体の“レクチャー”を受け洗脳されかけていたわたしは、火事により脱出する。男女五人で町へ逃げだそうとするが、不可解な森の中で迷ってしまう。翌朝、五人のうちのひとりの切断された頭部が発見される。頭部は、奇怪な装飾を施された古木の根元に、供物のように置かれていてーー
Amazon内容紹介より。

面白かった、大満足です。最初から最後まで存分に楽しませてもらいました。
齟齬がありそうでない、破綻していそうで破綻していない、綱渡りの様な危険で繊細な妙技と力技とで圧倒されます。途中まではミステリなのかと思いながら読んでいましたが、後半はっきりとホラーの様相を呈して来て、そこからはホラーと割り切って読めましたので、不満はありません。

構成も見事で、徐々に明らかとなって来る様々な事実が、読者に推理を迫りますが、なかなかその全貌を見せないもどかしさも、焦らされている様ではらはらさせられます。
根幹を成すアイディは人によっては陳腐と思わるかも知れませんが、私には正しくピッタリと嵌った趣向であり、満足度は大変高い作品でした。
尚、参考文献は絶対先に読まないように注意して下さいね。

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