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ミステリの祭典

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名探偵の有害性

作家 桜庭一樹
出版日2024年08月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2024/12/27 11:10登録)
 怖い怖い。探偵活動が知らず知らず関係者の人生を狂わせ傷付けていたかも知れない……“光と影” の影の部分。どんな弾劾を受けるのか、びくびく(わくわく)しながらページを繰った。
 でもこんなタイトルを掲げたにしては手ぬるい。もっと一話ごとにダメージを重ねて満身創痍になるかと心配(期待)したが、いつの間にか “再生の旅” みたいになってるね。
 書き方の上手さでまんまと読まされてしまったが、意地悪く評すなら、読者が作中の弾劾に同調はしない前提で、仲間内限定の自虐ネタをやったものであり、それ以上の境地には至っていない。市川哲也の方が勝っている。

No.1 5点 文生
(2024/09/08 09:53登録)
桜庭一樹久しぶりのミステリー作品です。
ストーリーは、50歳になったかつての名探偵と助手がYouTubeチャンネルで弾劾されたのをきっかけに過去の事件を振り返る旅に出るというもので、90年代に起きた事件を回想形式で一つ一つ紹介していく連作ミステリの形をとっています。
一見、新本格のようですが本格ミステリとしてはあまり面白くありません。名探偵を時代の徒花として描いているいるせいか、中途半端にリアルで推理もトリックもパッとしないものばかりなのです。
本作はむしろ名探偵という存在を通して世代間ギャップについて語る社会派ミステリーの側面が強い気がします。その着眼点はなかなか面白いのですが、ただそれを語るのにわざわざ名探偵を持ち出す必要あったの?という気がしないでもありません。あと、50歳のコンビが妙に可愛らしく描かれているのは現代ならではで、時代の変化を感じます。

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