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ミステリの祭典

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壁から死体?
〈秘密の階段建築社〉の事件簿

作家 ジジ・パンディアン
出版日2024年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/10/10 21:42登録)
(ネタバレなしです) アメリカの女性作家ジジ・パンディアン(1975年生まれ)は2012年に作家デビューし(2013年と紹介している文献もあり)、既に2つのミステリーシリーズを書いていますが第3のシリーズである<秘密の階段建築社>の事件簿シリーズの第1作が2022年発表の本書です。ファンタジー小説系かと思わせるシリーズ名ですが本格派推理小説系です。何人もの先祖が怪死したり失踪したりしているマジシャン一族の末裔である元イリュージョニストのテンペスト・ラージが主人公で、壁の中に埋められた死体という風変わりな不可能犯罪の謎解きに挑みます。もっとも被害者が自分の代わりに殺されたのではと思いこんだり、幽霊らしきものに悩まされたり、ラージ家の呪いではと神経質になったりと探偵役としてなかなか推理に専念できないところが本格派のプロットとしてはまわりくどいです。それでも第3部になるとようやく謎解きが前進しますが、トリック解明はともかく犯人当てとしてこの真相は唐突過ぎる解決と思います。一族にまつわる過去の事件についても謎が中途半端に放り出されてしまっているように感じました。

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