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ミステリの祭典

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死んだ石井の大群

作家 金子玲介
出版日2024年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 メルカトル
(2024/10/15 22:34登録)
14歳の唯は死にたかった。理由なんてなかった。何度も死のうとした。死ねなかった。今、はじめて生きようと思った。この理不尽な遊びから抜け出すために。
探偵の伏見と蜂須賀の元に、石井有一という人物を探してほしいという依頼がきた。劇団の主宰が舞台での怪演を目の当たりにし、その才能にほれ込んだ矢先の失踪だった。
唯と有一の身に何が起きたのか、そして二人の生死の行方はーー。
Amazon内容紹介より。

意外とサスペンスが効いていて、デスゲームだけではない所を見せています。なかなかの力量を持っている作者だと思います。これが二作目とは思えません。ただ文句なしに面白いんですが、常にこの謎だらけの物語をどう着地させるのかが不安材料として存在し、頼むから最後でがっかりさせないでくれという気持ちはありましたね。

その願いが見事クリアされた時は何とも言えない安堵感がありました。良いエンディングだと思いました。生きる事への希望を読者に与える作者の優しさが心に刺さります。伏線回収がキッチリ出来ているのも好感が持てます。
こんな読み方しているのは私だけかも知れませんが、結構老若男女にウケそうな作品だとは思いますよ。評点は甘い気もしますが、どう考えてもこれ以下には出来ないなと個人的には感じます。

No.1 5点 文生
(2024/08/25 13:26登録)
白い大きな部屋に監禁された333人の石井たちが生き残りをかけてゲームを始めるというデスゲームものです。ゲーム自体は、カイジとか嘘喰いみたいな駆け引き要素は隠し味程度で、実にあっさりとしています。その代わり、女子供でも容赦なく死んでいくえげつなさは悪くありません。ただまあ、読む前から薄々気がついてはいたけれど、これを本格的なデスゲームものだと思って読むと間違いなく失望します。
以下ネタバレ










一言でいうと本作は多重人格ものです。人格が333人に分裂した石井が本来の自分を取り戻すまでの物語。話としてはそれなりに面白かったけれど、とっくにカビが生えている多重人格オチはそろそろ勘弁してもらいたいものです

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