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ミステリの祭典

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室蘭地球岬のフィナーレ
函館物語シリーズ

作家 平石貴樹
出版日2024年06月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2024/09/08 23:10登録)
 函館物語シリーズ第4弾にして、おそらくはタイトルどおりフィナーレ。今回の岬は、函館近辺じゃなくて室蘭の地球岬です。
 繋がりそうで繋がりが判明しない3つの事件。特に2つ目の地球岬の事件が浮いています。捜査が難航する中、フランスからジャン・ピエールが来日し、神のような謎解き。すげー。ある一つの推理が大きな転換点となりますが、気づけなかったなぁ。
 書きぶりは丁寧で、伏線の回収ぶりも読みどころの一つ。ある意味古いタイプのプロットなのだけれど、むしろ新鮮に感じましたね。

No.1 6点 nukkam
(2024/07/15 10:45登録)
(ネタバレなしです) 2024年発表の函館物語シリーズ第4作の本格派推理小説です。フィナーレというタイトルが気になりますが、この作者はシリーズ探偵作品を3~4作発表して終了して次に新たなシリーズ作品に着手する傾向があるので、本書がシリーズ最終作ではと思われます。フランスに帰国中のジャン・ピエール・プラットの登場はかなり後半になってからですが、彼が登場すると解決まではあっという間です。推理説明は事件関係者の心理分析が多いのですが非常に丁寧で、直接的な物証が少ないにも関わらず説得力は高いです。第4章の11でジャン・ピエールが要約した「事件の特異性」はそんなことまで考えていられないと読者が不満を洩らしかねない類のものですが、その不満を解消させようとする細かい伏線回収が印象的でした。

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