home

ミステリの祭典

login
そこに無い家に呼ばれる
「幽霊屋敷」怪談

作家 三津田信三
出版日2020年07月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 zuso
(2024/06/30 22:20登録)
作者と同名の小説家の三津田信三が語り手となる実話風怪談シリーズ。
旧家の蔵から見つかった新社会人の報告、自分宛の私信、精神科医の記録の三つのテキストには、ある共通した怪異体験が書かれていた。
実話風の語り口を巧みに使い、読み手と物語との距離感を誘導していく手法は見事。

No.1 5点 ROM大臣
(2024/05/28 12:15登録)
怪異マニアの遺した膨大な資料から興味深い事例をピックアップする幽霊屋敷シリーズの第三弾。
新興住宅地の一軒家に住むことになった青年は、近隣から忌まれる隣の空き地にある夜、無いはずの家が建っているのを目撃する。
無作為に集められた怪異群が次第に連関していく関係妄想的な恐怖と、にもかかわらずその中心にあるものの実体は不明であるという底無しの不気味さ。そしてテキスト外の現実、ひいては読者まで巻き込んでいくメタ趣向が今回も駆使されているが、一見そのメタを放棄したのかと思わされるほどに手の込んだ悪意が横溢する業の深い一編。

2レコード表示中です 書評