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ミステリの祭典

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そこに無い家に呼ばれる
「幽霊屋敷」怪談

作家 三津田信三
出版日2020年07月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 5点 たかだい
(2025/04/23 22:32登録)
著者・三津田信三が、とある蔵から見つかった3つの文書に記された怪異を読み解いていくホラーシリーズの第三弾
幽霊屋敷が舞台の当シリーズにおいて、今回のテーマは『存在しない家』という矛盾した題材が取り上げられている
個人的に本書に関しては恐いというより気味が悪い作品だと感じた
その一方で、著者の趣味だと思われるホラー作品に関する言及であったり、自身の著作に関するあれこれが頻繁に出て来るので、メタ的なストーリーというか実話風なお話なのだと理解・解釈はしていますが、その辺が理由で話に乗り切れなかった部分はあった気がします(あくまで私の主観ですが…)
どうせなら他作中に言及しない独立した作品が読みたい所です

No.2 5点 zuso
(2024/06/30 22:20登録)
作者と同名の小説家の三津田信三が語り手となる実話風怪談シリーズ。
旧家の蔵から見つかった新社会人の報告、自分宛の私信、精神科医の記録の三つのテキストには、ある共通した怪異体験が書かれていた。
実話風の語り口を巧みに使い、読み手と物語との距離感を誘導していく手法は見事。

No.1 5点 ROM大臣
(2024/05/28 12:15登録)
怪異マニアの遺した膨大な資料から興味深い事例をピックアップする幽霊屋敷シリーズの第三弾。
新興住宅地の一軒家に住むことになった青年は、近隣から忌まれる隣の空き地にある夜、無いはずの家が建っているのを目撃する。
無作為に集められた怪異群が次第に連関していく関係妄想的な恐怖と、にもかかわらずその中心にあるものの実体は不明であるという底無しの不気味さ。そしてテキスト外の現実、ひいては読者まで巻き込んでいくメタ趣向が今回も駆使されているが、一見そのメタを放棄したのかと思わされるほどに手の込んだ悪意が横溢する業の深い一編。

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