home

ミステリの祭典

login
日本の黒い霧

作家 松本清張
出版日1960年01月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 HORNET
(2024/03/24 21:12登録)
 清張作品は有名どころを数冊しか読んでいないが、フィクションの物語でない本作が私には最も印象深い。
 これがどれほど真相に肉薄している内容なのか、所詮一推理作家の妄想じみた謀略論なのか、まったく分からないが、昭和にあった歴史的な事件について掘り下げる記述は非常に生々しく、時に背筋を震わせながら読んだ。
 やはり、上巻一編目の「下山国鉄総裁謀殺論」や、下巻「帝銀事件の謎」の内容は衝撃的であるし、全編を通して戦後の社会の混乱や暗黒的な雰囲気が漂っていて、そこに想像を馳せながら読み進める読書体験は何とも言えないものだった。
 どこまでいっても想像の域を出ないが、国、政府、軍隊といった巨大な公的機関といえども結局は生身の「人」でできているものであり、信じられないような罪悪や隠蔽が行われていてもおかしくない…と思わされてしまう作品だった。

No.1 8点 ALFA
(2024/03/21 09:00登録)
小説ではない清張の代表作。
アメリカ占領下の日本で現実に起きた12の怪事件が主題。膨大な資料を読み込んで緻密に推理するという作法はミステリーに通じるものがある。
こんな作品を締め切りに追われる連載で書くのだから、やはり清張ただ者ではない。載ったのが文藝春秋というのも何だか今日の「文春砲」を思い起こさせて愉快。

最も読み応えのあるのは「下山国鉄総裁謀殺論」。ここにはミステリーのすべてが揃っている。
重厚なクライムストーリーだがラスボスの闇は「けものみち」や「点と線」の比ではない。


2レコード表示中です 書評