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ミステリの祭典

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ドミノin上海

作家 恩田陸
出版日2020年02月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 三枝
(2024/05/21 10:44登録)
前作に遠く及ばないできですね。
“伝説級の暴走族がパトカーを大量に引き連れた結果、テロリストが自分が追い詰められていると勘違いして暴走”みたいな顔も合わせず離れた場所で起きた出来事が別の人物に影響を与えるといった要素がかなり薄いです。
ほとんどが直線的に顔を合わせたりその場に居合わせたりで、その合流のさせ方も強引さが否めません。
ダリオがパンダを追いかける理由とか全然ないと思いますし、結局お腹の中で光っていた印章もぶん投げ。

前作の保険会社の書類配達と合流できない俳句オフ会と大学サークルの会長決め勝負みたいな各シナリオに明確な目的がないため、登場人物の動きになんとなくの進行が多くて単体シナリオとしてのおもしろさがありません。
森川とかまったく出す意味なかったですよね、あれ。

あれがダメこれがダメというよりシンプルに群像劇としてのクオリティが低いです。
持ち物の入れ替わりとか暴走バイクの追跡とか前作を踏襲した内容が散見されるためますます品質の差を感じます。

No.1 5点 ぷちレコード
(2024/02/16 23:04登録)
パンダが動物園からの脱走を目論み、アートの売買が高額で進行し、日本人OLが観光で訪れ、コードネーム「蝙蝠」なるブツが香港から運び込まれ、才能豊かな風水師がアドバイスを施し、そして大混乱が生じる。
物語はハイテンポかつ高密度で転がり弾けるのだが、そこは作者のこと、きっちりと計算尽くしでドミノを並べており、多数の列は最終的に一に点に収斂する。

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