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ミステリの祭典

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母親探し
ネロ・ウルフ

作家 レックス・スタウト
出版日2024年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/03/29 03:49登録)
(ネタバレなしです) 1963年発表のネロ・ウルフシリーズ第26作の本格派推理小説です。依頼人は若い未亡人で、自宅の前に「父親の家に住むのが当然だから」というメッセージを添えられて捨てられた赤ん坊の母親を探して欲しいと依頼してきます。赤ん坊の母親を探すための試行錯誤の捜査が読ませどころで、特に第12章で「殺人は自策で」(1959年)に登場した女性探偵サリー・コルベット(アーチーは現代最高の女探偵と絶賛しています)の助けを借りての写真大作戦が面白いです。もっともサリーは一言も発せず描写は極めて地味で(論創社版の登場人物リストにも載っていません)、ここはもっと盛り上げる演出が欲しかったですね。途中で殺人事件も発生しますがウルフはそちらは警察まかせと解決に乗り気ではありません。もちろん最後には殺人犯を指摘するのですが推理はそれほど印象に残らず好都合な証人に助けられており、他の容疑者が犯人であってもおかしくないように感じました。

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