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ミステリの祭典

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トゥルー・クライム・ストーリー

作家 ジョセフ・ノックス
出版日2023年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2024/02/02 14:37登録)
 芥川龍之介「藪の中」を700ページ弱に引き延ばしたもの。

 それは言い過ぎか。でも、長い。関係者のインタヴューで構成されているので読み易く、情報の密度は低いが、それを踏まえてもここまでの紙幅を費やす必要は無いと思う。
 物語として悪くはない。不動産王の火災事件が絡んで来たところは興奮した(アレが真相でも良かったんじゃない?)。
 一方、メタフィクション的構造の意義が物凄く有るかと言うと頷けない。我が国の新本格勢の方が上手だ。

 証拠物件の “雑誌などの出版物から切り取られた男の写真” について。裏面を調べれば出処を特定する手掛かりになり得るのに、その点の言及が無いのは作者の手落ち。
 あと、この手の作品に日本版解説はいらない。

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