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ミステリの祭典

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狙撃手の祈り

作家 城山真一
出版日2023年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2024/01/22 23:18登録)
 東京で楽器店を営む青井圭一。雑誌記者である妻の沙月とはあることで仲違いをしていたが、そんな中、取材旅行に出かけた沙月が電話で「このまま家に帰ったら、許してくれる?」という言葉を残したまま消息を断つ。残された沙月の品から、28年前の未解決事件・警察庁長官狙撃事件を追っていたことが分かる。沙月が追っていたものは何だったのか、どこへ行ったのか。同じ事件を掘り起こそうとしていた刑事と共に、真相を追い始める圭一だったが―

 平成7年に実際に起きた警察庁長官狙撃事件が下敷きとなっているらしいが…あまりその事件を知らない。ただ純粋に、厚みのある警察小説として楽しめた。
 28年前の狙撃事件の犯人は誰なのか?が当然主となる謎であるが、そのことに主人公・圭一の親族がどうかかわっているのか、沙月は何をつかんだのか、など、そこにたどり着くまでの付随した謎が一つ一つ解かれていく展開は地道ながら読み応えがあった。
 真犯人は正直、うすうす推理できてしまう人物ではあった。また、中盤以降から明かされる主人公の境遇が唐突な展開に感じるところもあり、設定に一抹の強引さを感じるところもあったが、全体としては面白い物語だった。

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