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ミステリの祭典

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レッドクローバー

作家 まさきとしか
出版日2022年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2024/01/13 21:17登録)
 東京のバーベキュー場で起こったヒ素による大量殺人。記者の勝木は、12年前に北海道で起きたヒ素による一家殺害事件を思い起こす。高1の長女ただ一人生き残ったその事件で、勝木はその長女を一度だけ目にしていた。東京の事件は別の容疑者が現行犯で逮捕されたが、二つの事件は無関係なのだろうか―?個人的な思い入れも含みながら、勝木は12年前の事件を再度調べ出す―

 読者を引き込む魅力的な展開は相変わらず。12年前の事件があった北海道・灰戸町の住人たちの前時代的なムラ社会文化の描写がまた面白い。真相は結構入り組んでいて、偶然ができすぎているきらいもあるが、それらがダイナミックな仕掛けに結び付いているのだからまぁ…致し方ない。
 ヒールである赤井三葉に、ヒール足りうる魅力を感じざるを得ないが、それ自体がひっくり返されていく後段は、なかなか怒涛の展開だった。

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